アルゴリズムとは何?GoogleやSNSの表示アルゴリズムの基本
目次
アルゴリズムとは、プログラムを作成する際に欠かせないものの考え方です。最終的な答えに最速でたどり着ければそれだけ応答のよいプログラムができ、ユーザーの利便性が高まります。この記事ではアルゴリズムとはどのような意味なのか、代表的なアルゴリズムの例、GoogleやSNSのアルゴリズムをご紹介します。各コンテンツに記事や投稿を行っている方は参考にしてください。
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アルゴリズムの意味
アルゴリズムの概念を簡単に紹介します。
アルゴリズムとは答えを出す手順
アルゴリズムとは、問題や課題を解決する際の計算や処理の手順です。最後の結果が同じでも、プロセスは複数考えられます。このプロセスがアルゴリズムの違いです。
例えば、数字が書かれているパズルを大きい順に並び変えていく場合、最終的には数字の順番通りに並び変わります。また、ニンジンを千切りにする場合、最初に半分に切ってから始めるのか、まず必要な長さを計算して2、3等分に分けるのかなど途中の過程はさまざまです。各過程がどのルールで行われているかがアルゴリズムです。
アルゴリズムは最適化が重要
プログラムにおけるアルゴリズムの良し悪しは「効率の良さ(速さ)」「メモリ使用量」「コーディングのしやすさ」などで決まり、それをもとに最適化が行われています。
そのためプログラムのアルゴリズムは、以下のような観点で日々研究されているのです。
・高速に計算できる場合の性質
・類似する計算で計算速度に差が出る条件
・理論的な計算時間と実測時間の差の解消
代表的なアルゴリズム
アルゴリズムは、プログラムを考える元であり、さまざまな考え方があります。ここではアルゴリズムの一例を簡単に紹介します。
探索アルゴリズムの例
検索アルゴリズムとは、一定の数のデータから指定された値のデータを探し出す計算です。
・線型探索:データの集合の先頭から一つひとつ最後まで内容を確認し、探しているデータと一致する情報を抽出する方法
・二分探索:データを大きい順または小さい順に並び変えたうえで、中央値からみたときに探しているデータが半分より大きいか小さいかを比較しながら徐々に対象範囲を絞り込んでいく方法
ソートアルゴリズムの例
ソートアルゴリズムとは、データ集合を一定の規則で並べていく計算です。
・選択ソート:集合から最大または最小のものを探して一つずつ並び変えていく方法
・バブルソート:隣あう要素の大きさを比べ、並べたい順と大小が逆であれば入れ替え、あっている場合はそのままという手順をすべての要素に行い最終的に完全な昇順または降順にする方法
・クイックソート:高速に計算できる手法のひとつで、基準値をもとに大きいグループと小さいグループに分けながら徐々に小さい部分に分割していく方法
Google検索の表示アルゴリズムとは
アルゴリズムはさまざまな場所で活用されていますが、ここでは、マーケティングで重要となるGoogle検索のアルゴリズムについて解説します。
コンテンツは上位にないと見てもらえない
総務省の「令和元年通信利用動向調査」によると、インターネット利用者の割合は89.8%で、Web集客が非常に重要です。
インターネットの利用者が情報を調べたい場合、キーワードを使って検索することが一般的です。情報を探している人が検索エンジンでキーワードを入力した場合、結果に出てきた上位のコンテンツを閲覧します。
そのため、自社からみると「良い」と思うコンテンツでも、まず検索エンジンの結果で上位に表示されて人の目に触れなければ読んでもらえません。そこで検索エンジンのなかでも、できるだけ上位に自社のコンテンツが表示されるようにすることが理想です。
国内における検索エンジンのシェアは、Googleが77.05%、Yahoo!が19.22%です。世界にいたってはGoogleでの検索が91.86%を占めています。つまりマーケティングではGoogle検索のアルゴリズムを知り、できるだけコンテンツを上位表示させることが重要です。
Google検索におけるアルゴリズムの基本的な考え方
Google検索のアルゴリズムでは、より関連性や情報の品質が高くなるように多くの条件を組み合わせて検索順位を決めています。具体的な基準は非公開かつ適宜変更されていますが、検索アルゴリズムには、以下のように複数の観点が盛り込まれています。
検索意図の把握
検索の意図を把握するために単語の意味の分析を行います。例えば「施設名 口コミ」や「施設名 開店時間」といった言葉が検索されている場合、検索している人が特定の施設の具体的な情報を求めていると判断して結果を表示します。
Webページの関連性
Googleのアルゴリズムでは、検索キーワードにより多く一致するWebページを表示します。加えてキーワードの登場頻度やWebページのタイトルや見出し、本文などのどこに当たるのかを分析します。それぞれの取得した情報を定量的に学習することで、検索語に当てはまるWebページはもちろん関連ページも検索結果に表示できます。
コンテンツの品質
かつては単に検索エンジンに「引っ掛ける」という意図で特定のキーワードを大量に盛り込むなど、検索したい人のニーズを一切満たさないコンテンツが多く見られました。そこでGoogleでは情報の質が高いコンテンツの表示を重視しています。
コンテンツの新しさや検索キーワードの出現頻度、UX(ユーザーエクスペリエンス)の質、内容の信頼性、権威性などから総合的に判断するアルゴリズムが盛り込まれています。
ユーザビリティ
インターネットの利用者はスマートフォンやパソコン、タブレットなど複数のデバイスでアクセスしています。そこで異なるブラウザや各々のデバイスに対応している場合にはユーザビリティが高いと判断します。
また通信速度が遅いユーザーでも快適に読み込めるのか、検索結果に共通する話題はまとめて記載されているのかなどもユーザビリティに関するアルゴリズムに盛り込まれています。
文脈の考慮
特定の言葉も地域により違う意味で使われることがあります。例えば「football」はアメリカの場合アメリカンフットボールのことであり、イギリスであればサッカーやプレミアリーグのことです。そこでGoogleの検索アルゴリズムでは、現在地や過去の検索履歴と文脈を掛け合わせて検索結果を加味します。
SNSの表示アルゴリズムとは
SNSにおけるアルゴリズムとは、投稿の順序を決定する計算式のことで、SNSごとに独自の表示アルゴリズムがあります。Googleと同じく都度見直されるものの、おおよその観点を踏まえてコンテンツ制作をするとよりリードの目に触れる可能性が高まります。
YouTubeの表示アルゴリズム
YouTubeの表示アルゴリズムは過去に見た動画の履歴や視聴時間、高評価したコンテンツ、カテゴリ、ハッシュタグ、検索キーワードなどが参考にされています。
YouTubeで視聴数を獲得するには、一つひとつのコンテンツの内容を充実させるのはもちろん、更新頻度やサムネイル、タイトル、プレイリスト、タグ、カードの最適化などを行う必要があります。
チャンネル登録者数が20万人以上いる、1週間に2~3本動画をアップロードしている、ユーザーの動画視聴時間が長いなどを満たすと、検索された際に表示される頻度が高くなる傾向があります。
Facebookの表示アルゴリズム
Facebookは意味のある交流が重視されています。Facebookの場合、Googleのようにキーワード検索であるコンテンツを探すという頻度が少ないです。
「ニュース記事」よりも「ユーザーが日ごろから交流している相手」「ビデオ、リンク、写真など投稿コンテンツの種類」「人気のある投稿」は上位に表示されやすい傾向があります。
Instagramの表示アルゴリズム
Instagramの場合、フィードや発見タブなど各機能で異なるアルゴリズムが使用されています。表示順を計算する際は、アカウントのいいね!や保存、シェア、コメントの内容、閲覧時間などが参照されます。
例えば、ストーリーズの場合は親しい友達の投稿を重視し、発見タブの場合は新しい情報がランク付けの上位になるように設定されています。
Twitterの表示アルゴリズム
Twitterはユーザーをさまざまな階層に分けています。タイムリーさやリツイート、クリック、いいね!、インプレッションなどのエンゲージメントが多いものほど表示されやすくなります。
また、画像やgif、動画などを含む投稿(リッチメディア)や定期的な投稿、やアクティブかつエンゲージメントの高いフォロワーが多いアカウントが重視されます。
コンテンツ制作はアルゴリズムの把握が重要
アルゴリズムとは、ある課題を解決するための計算方法や手順などのことで、さまざま考え方があります。一方、マーケティングでは検索サイトやSNSの表示順位を上げることが非常に重要です。
作成したコンテンツをリードに届けるためには、投稿するシステムのアルゴリズムを知っていると便利です。各表示アルゴリズムは都度変わるものの、条件を把握したうえでコンテンツ制作することを意識してみましょう。
文:xDX編集部 画像提供:Getty images, photoAC