2025年の崖とは?DXや対策についても合わせて理解!

2025年の崖とは?DXや対策についても合わせて理解!

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2025年の崖とは、経済産業省が発表したレポートの中で登場した言葉であり、企業に対してDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性を訴えるものとなっています。

ここでは、2025年の崖に関する概要を理解し、今後企業にDXが必要な理由を踏まえ、その具体的な策に関して説明しています。

読者の方がDX推進を検討するきっかけになれば幸いです。

経済産業省が発表したDXレポートにおいて提唱された「2025年の崖とは」

「2025年の崖」は、経済産業省に設置された研究会が2018年に発表した「DXレポート」の中で初めて使用された言葉です。

DX(Digital Transformation: デジタルトランスフォーメーション)は、2004年にスウェーデンの大学教授により提唱されたことが発端であり、「進歩するデジタル技術の普及により、人々の暮らしをより豊かにしていく」ことを指します。

日本の経済産業省は、DXの定義を
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
としています。
出典:「DX 推進指標」とそのガイダンス

さらに、ここでいうデジタル技術は、単なるIT技術を指すのではなく、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)、AI(Artificil Intelliegnece:人工知能)や、クラウドサービスなどを含んだ革新的な情報技術全般のことを指します。

これらの先進的な技術を活用し、顧客や社会に対して提供するモノやサービスの付加価値を向上する必要があります。そして、それには内側(社内)から変革する必要があるということです。

DXレポートでは、このまま企業がDXを推進しなければ、国際的な競争力を失い、2025年以降、年間で12兆円の経済損失が発生すると予測されています。


このままの状況が続けば、2025年時点で、稼働年数20年以上の基幹系システムが全体の6割以上を占め、IT人材の不足やシステムメンテナンスの外製化が加速するとされています。

そのため、DXを推進できれば問題ないのですが、企業が多大なコストを負担しなくてはいけないことに限らず、構造的な問題を抱えていることから問題の解決をより困難にしています。

以上のような理由から、経済産業省が声を上げて、このような問題を「2025年の崖」と表現しているのです。

DXの推進が必要とされる理由

では、2025年の崖を引き起こす主要な原因はどういったものなのでしょうか。

DXレポートによれば、企業が導入している基幹システムであるERPのブラックボックス化が進んでいることが、DX推進が必要な理由として挙げられています。

まず、基幹システムとは、企業の根幹となる業務を行う上で欠かせないシステムの総称であり、

財務会計システム
生産管理システム
販売管理システム
購買管理システム

などを指しますが、これらは各業務を効率化するためのシステムとしてそれぞれ構築されます。

日本の企業の多くが利用する基幹システム(ERP)は、部門毎に別々のシステムが構築されるため、情報の共有や横断的な利用が難しいという問題を抱えています。

さらにその内の5割以上のERPが20年以上稼働し続けている旧来型のシステムだとされています。、これらは老朽化・複雑化が進み、多くのコストや無駄な人的資源が費やされ続けています。また、ERPの中でも市場をリードしてきた代表的な製品がSAP ERPであり、この製品における保守サポートが終了するのが2025年だと発表されています。これらの問題をブラックボックス化と表現しています。

これは、ユーザー企業がSierやベンダー企業に受託開発を依頼することが多いという構造的要因により、ユーザー企業の内部にITシステムに関するノウハウが蓄積しにくく、企業にとってDX推進の大きな壁となっていると指摘されています。

SAPの最新バージョンは、SAP S/4HANAと呼ばれるシステムです。このシステムの最大の特徴は、業務全体の最適化を目指していることにありです。「各業務を効率化するためのシステム」である基幹システムを発展させ、「全ての業務を一元的に管理することができるシステムとしてSAP S/4HANAは開発されています。部門間でデータ連携を行ったり、リアルタイムで経営判断に役立てたりするなどの活用方法があります。

ここで一旦整理すると、DXの推進が必要な理由として、基幹システムのブラックボックス化が挙げられていますが、日本企業の多くが長年利用する基幹システムはERPと呼ばれるものであり、このシステムの稼働が長期化していること及びそれによる運用・管理の非効率さが問題であるといえます。2025年で保守サポートが終了するSAPから S/4HANAへの以降が求められます。

「2025年の崖」の対策とは?

「2025年の崖」の対策として、経済産業省は「デジタル経営改革のための評価指標(DX推進指標)」を発表しています。

これは、各企業がこの指標に則って自己診断を行うことで、経営陣、各事業部、システム部門などの間で現状を把握し、課題を認識・共有することで次のアクションに繋げることを目的として作成されました。

DX推進指標は大きく「DX推進のためにどういった経営をすべきか、またどういった仕組みを取り入れるべきか」と「DXの実現に際して基盤となるITシステムを構築するためにはどういったことが必要か」という2つの指標からなり、それぞれに定性指標と定量指標を設け、現状把握や課題認識への深い理解を目指しています。

今後はこれらを活用し、新たに導入するシステムの選定や、新たなシステム構築のための人材集め(育成)や、システム移行時期を調整していくことが重要となるでしょう。

また、企業のDXを後押しする目的で、経産省が過去5年に渡って実施してきた「攻めのIT経営銘柄」を「DX銘柄」に改め、今夏にも新たな選定企業を発表する予定です。対象となる企業には、国内の上場企業約3700社としており、選定にあたって、「ビジネスの変革」「戦略的取組」とともに、「経営者のリーダーシップ」の3条件を重視しています。

コロナはDX推進のチャンスとなっている

現在、新型コロナウイルスの感染症拡大に伴い、非対面や非接触、遠隔でサービスを提供する必要性が高まっています。

このような状況で、顧客からの要望に応え、顧客に価値を提供し続けていくためには、デジタルの力を活用し対応していくことが求められています。

また、大企業を中心に社員に対してはテレワーク推進が求められています。

そのため、今回のコロナ禍の中で、少々無理をしてでもDXに取り組んだ企業も多いはずです。テレワークのための業務プロセスの改変や、オンラインによるセミナー開催や営業活動といったことはその一例といえるでしょう。

先送りせず早めの対策を

デジタル技術が刻々と進歩しているなかで、企業は抜本的な見直しを行わなければ、市場から取り残されてしまう可能性があります。また、同じシステムを長年利用し続けている企業であるほど、デジタルシフトにはよりコストや労力がかかるといえます。

大きな問題に直面してしまう前に、早めに手を打ち、どのシステムを改修するか、どのようなテクノロジーを新たに取り入れるかを経営者がリーダーシップを取って話し合う必要があります。さらに組織全体でビジョンを共有し、しっかりと対策を行うとよいでしょう。

文:xDX編集部 画像提供:Getty images

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