DXソリューションとは?定義や事例などわかりやすく解説します
目次
DXソリューションという言葉は知っているけど、意味は詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。実は、DXソリューションにはっきりとした定義がなく、人によって認識が分かれることもあります。
DXソリューションは、様々な企業の経営課題をクリアできるとされており、すでに導入に成功している企業や実際に動き出している企業も多数存在します。今後は、DX化の推進が多くの企業にとって重要になってくるでしょう。
この記事では、DXソリューションについての解説や詳しい導入方法、成功事例などを交えて解説していますので是非参考にしてください。
なお、「DXとは何か?」について体系的にチェックしたい方は、以下の記事でxDX編集長が詳しく3万字で解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。
▶︎[編集長が3万字で解説]DXとは?注目の背景から行政/民間/生活者への影響、活用技術、推進のポイント、最新トレンドまでを体系的に解説
DXソリューションとは
ここではDXソリューションについて以下の2つを紹介します。
・DXの定義
・DXソリューションとは
DXの定義
DXとは、「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称で、IT技術を活用して人々の生活を良くしていく概念を指します。身近な例でいえば、今までオフライン上でしかできなかったことが、オンラインで完結するようになっていくことなどです。
経済産業省のガイドラインでは、DXとは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」と定義しています。
また、スウェーデンのウメオ大学教授、エリック・ストルターマンが2004年に提唱したとされる定義では「企業がテクノロジー(IT)を利用して事業の業績や対象範囲を根底から変化させる」とされています。
出典
デジタルトランスフォーメーションを推進するための ガイドライン (DX 推進ガイドライン) Ver. 1.0|経済産業省
Stolterman.pdf
DXソリューションとは
DXソリューションとは、様々なDXを活用して業務の効率化などを図り、企業の問題を解決していき、その過程で蓄積したデータをさらに役立てることをいいます。具体的には、企業が新規クラウドを導入したり新たなDX推進の為の人材を雇用したりするのもDXソリューションの導入例です。
上記の解説だと話のスケールが大きく、中小企業にはあまり関係のない話に聞こえるかもしれませんが、そんなことはありません。大企業だけではなく、中小企業にも関係のある話です。
DXソリューション成功事例
DXソリューションの成功事例を2つ紹介します。
Microsoft
MicrosoftはWordなどが有名な企業ですが、時代の流れとともにDX化が課題になりつつありました。Microsoftはある方法でDX化に成功しています。
それは、クラウドサービスを売るビジネスモデルの構築です。Microsoftは、PCとセットになったオンライン上で使用できるライセンス販売というビジネスモデルが主流でした。ところが今では、主にクラウドサービスを販売するビジネスモデルになっており、時代にあわせたDX化に成功しています。
株式会社セブン&ホールディングス
セブンイレブンなどでお馴染みのセブン&ホールディングスですが、時代と共にDX化が大きな課題になりました。
そこでセブン&ホールディングスでは、DX化を促進するために「グループDX戦略本部」を設立し、AIの活用などを促進。DX化に成功しました。
DXソリューションは活用するべきか?メリットなども解説します。
企業がDXソリューションを導入しない場合に起こることを3つ解説します。
・既存システムの維持費が高額になる
・市場変化に対応できなくなる
・データを失うことがある
まずは、上記の3つを解説する上で必要な、2025年の崖・レガシーシステムについて補足します。
経済産業省によると、レガシーシステムとは、既存のシステムが部門ごとに構築されているために、データを横断的に活用できなかったり、過剰なカスタマイズがされていることにより、複雑化、ブラックボックス化が進んだりすることをいいます。経営者がDX化を望むなら、このような既存システムの問題を解決しなければならず、そのためには業界全体の改善が求められます。しかし、現場が反対するケースもあり、どのようにDX化を実現するかが課題です。
DX化が実現できない場合は、2025年以降最大12兆円の損害が発生すると予測されています。その反面、現在企業の約8割はレガシーシステムを導入しているのが現状です。レガシーシステムは運用、保守、維持でかなりのリソースが消費されてしまいますので、DX化の妨げになります。
上記の課題は、DXソリューションを考えるうえで重要なポイントです。今後、多くの企業がレガシーシステム問題に直面するでしょう。
既存システムの維持費が高額になる
レガシーシステムなどの例でも分かるように、既存のシステムは高額になっている傾向があります。
経済産業省のデータによると、約7割の企業がレガシーシステムを足枷に感じていると回答しています。DXソリューションを導入しないと、システムの運用や維持の観点から見ても企業にとって損失になりますので、これからの時代はシステムの見直しが要求されます。
市場変化に対応できなくなる
既存のシステムでは、日々の市場の変化に対応できなくなってきています。
日々新しいシステムが開発されているなか、維持するのみで余分なコストがかかったり、効率的なシステム運用ができなかったりなどのデメリットが発生します。変化に対応できないということは、倒産のリスクが高くなることにもつながりかねません。
データを失うことがある
保守運用ができず、既存のシステムではサイバーセキリュティやシステムトラブルの観点からデータが消滅することがあります。
DXソリューションを実際に導入するには
DXソリューションを導入の方法は様々ありますが、ここでは3つ導入方法について解説します。
・既存商品サイト作成
・最適なクラウドの導入
・紙書類、営業活動のデータ化
既存商品のサイト作成
既存の商品が存在する場合は、その商品をオンラインで販売する方法です。
商品によってはオンラインの販売が難しい場合がありますが、現在の技術では販売できる方法が増えてきており、オンラインで販売しやすくなっています。例えば、自社の商品のECサイトを外注して作成することも可能ですし、コストを抑えたい場合は外注をしなくても簡単に自社のECサイトを作成できます。
最適なクラウドの導入
レガシーシステムなどの古いシステムを利用している場合は、最適なクラウドを利用できていない場合があります。その企業に合った最適なクラウドを利用していないと、維持費などの無駄な費用が増えてしまいます。
レガシーシステムなどの見直しに加え、現在のクラウド環境が最適かどうかも確認してみてください。
紙書類、営業活動のデータ化
紙媒体は継続的に使用するにはコストがかかりますし、データと比べると運用効率も悪くなってしまいます。全てをデータ化するのは難しいかもしれませんが、紙媒体の比率が多い企業の場合は、なるべくデータ化することをおすすめします。
とくに営業活動は、データ化していくのがおすすめです。営業活動のデータが溜まっていくことで、そのデータを次回の営業にいかせます。
DXソリューションを導入し最適なシステムに
この記事ではDXソリューションについての解説や実際の導入方法、成功事例、レガシーシステムなどについて解説しました。
レガシーシステムなどの古いシステムや現場の反発などが理由でDX化が阻まれており、DXソリューションの導入が進んでいないのが現状です。しかし、企業が生き残っていくにはDXソリューションを導入して、古いシステムから新しいシステムに切り替えなければいけません。
現在のシステムに依存するのではなく、新たなシステムやクラウドの導入を検討しなければ、将来企業が生き残れる可能性が低くなってきます。この記事を参考に、DX化を検討してみてください。
文:xDX編集部 画像提供:Getty images, pixabay