DXライブラリに注目。活用することで得られるメリットを解説!
目次
昨今DXはあらゆる場所で重宝されています。この記事ではDXライブラリに注目します。DXライブラリは、保存しているデータを管理・整理してくれ、いつでも場所を選ばず必要なファイルを自分専用のデバイスに表示できます。整理整頓された、いわば図書館のようなものです。
今回は、DXライブラリを活用する理由とそのメリットについて解説します。
なお、「DXとは何か?」について体系的にチェックしたい方は、以下の記事でxDX編集長が詳しく3万字で解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。
▶︎[編集長が3万字で解説]DXとは?注目の背景から行政/民間/生活者への影響、活用技術、推進のポイント、最新トレンドまでを体系的に解説
DXライブラリとは?
DX(デジタルトランスフォーメーション)は直訳すると「デジタルによる変革」という意味で、2004年にスウェーデンの大学教授によって提唱されました。デジタル技術によって人々の生活を飛躍的に向上させるという概念になります。
ビジネスシーンにおいてのDXは、ITやデジタル技術の導入によって時代の変化に対応し、業務の生産性や能率を向上させることを指します。DXで活用されるたくさんのデータ(ビッグデータ)を処理するために必要なツールがDXライブラリなのです。
DXライブラリの定義
これまで情報を得るための手段としては、本や新聞といった紙媒体が主流でした。近年、情報は紙媒体からデジタルコンテンツへとその姿を変えつつあり、情報量もどんどん増えています。ビッグデータと呼ばれるたくさんの情報を効率良く処理するため、DXに必要な情報はクラウド上のライブラリに保管されることが一般的となりました。
DXライブラリとは、保存されたデータを保管・整理してくれる図書館のような場所です。DXライブラリで保管されたデータはインターネット環境があれば誰でもアクセスできます。紙媒体でデータを管理するよりもはるかに多くのデータをスピーディーに処理することが可能です。
DXライブラリサービスの種類を紹介
DXライブラリサービスはいくつかありますが、ここでは代表的な2つのサービスをご紹介します。
最初にご紹介するのはアメリカ発のBoxです。Boxはヨーロッパやアジアなどさまざまな地域で利用されています。世界的なトップシェアを誇るDXライブラリです。
サービスの特徴には次のようなものがあります。
- データ保存のセキュリティを強化し、スムーズに共有できる
- 大量のアクセスが集中しても必要なデータを支障なく修正・更新できる
- データをスムーズに一元化し、集約できる
Boxは企業がストレスなく情報を集め、業務の効率化を図るためにおすすめのサービスです。
2つ目にご紹介するのは日本発のドロップボックスです。ドロップボックスの魅力は、手厚いサポート体制。デジタルシステムのプロのサポートが受けられるので、DX専門の人材がいない企業でも安心して導入することができます。
また、いつでも対応できるチャットサービスを完備しているので、営業時間外にオンライン上で相談し、トラブルを解決できます。間違えて消去してしまったデータ復旧の対応や機能の使い方など、マニュアルだけでは理解できないこともすぐに質問できるので便利です。ユーザーにとって長期的に安心して利用できるサービスといえるでしょう。
DXライブラリを必要とする理由
DXライブラリを必要とする理由は大きく分けて3つあります。1つ目の理由は、インターネットにつながっていれば誰でもDXライブラリ内のデータにアクセスできることです。データを社内メンバーで共有できるだけでなく、複数名がインターネット上で同時に作業できるという利点もあります。
2つ目の理由は、検索機能の活用によって必要なデータを探す手間がかからないことです。保存した日付や特定のキーワードを指定すればすぐにデータが見つかります。もし保存先のフォルダを間違えてしまったとしても紙媒体より探しやすいことはいうまでもありません。このように、DXライブラリはクラウドサービスならではの長所を備えているのです。
3つ目の理由は、ビッグデータと呼ばれる膨大なデータを保存・処理できることです。DXライブラリを活用すれば、人間が分析するよりもはるかにスピーディー・正確にデータを処理することが可能です。
DXライブラリを導入することで、企業はDXを効率良く推進することができます。DXを成功させるために、DXライブラリはなくてはならない存在なのです。
DXライブラリ化の事例
DXの目的は、属人化を軽減し、人手不足問題の解消につなげることです。そのため、近年人手不足問題に直面している飲食業や医療・介護現場など、業界の種類を問わず注目されています。
世界の産業は大きく変わってきています。スマホの利用率が急速に伸びたのを背景に、ライフスタイルのデジタル化が勢いよく進みました。変化のスピードがとても早いため、経済産業省が企業のデジタル化に動き出しました。また、将来を展望するとAIとの連携も不可欠です。
ここでは、DXライブラリを導入したことにより、仕事の効率を上げ、プラスの効果を得ることができた2つの業界の事例をご紹介します。
食品メーカー業界
最初にご紹介するのは食品メーカーの事例です。日本有数の食品メーカーであるA社は、次の3つのジャンルでDXライブラリを導入しています。
- 製造
- 研究
- マーケティング
DXライブラリを導入し、時系列データを解析することで製造や研究のスピードが格段に上がりました。過去の教訓を生かしてより効果的なマーケティング戦略を立案することも可能になったのです。ベテラン社員のノウハウが社内全体で共有可能になったことで業務の効率も飛躍的に向上しています。
不動産業界
不動産業においては、管理している物件情報量は膨大です。物件情報のアップデートがあったり、売買や賃貸が成約すれば、データを置き換えたりする必要があります。
DXライブラリを導入することにより、不動産管理における属人化を緩和し、必要な情報を手軽に共有することができるようになりました。加えて、共有権限を定めることで情報の共有相手を選択し、安全な情報管理を可能にしました。
DXライブラリの実用方法
DXライブラリは、企業の業務効率化に非常に役立っています。では、実際にDXライブラリを取り入れて活用するためにはどのような方法があるのでしょうか。
この章では、DXライブラリを活用するための具体的な実用方法について解説していきます。
データを連携・移行する
DXライブラリの活用方法は、端的にいうとデータを連携・移行することです。DXライブラリサービス専用の機能をインストールし、必要なデータを移行しましょう。社内システムとの連携も行っておくことをおすすめします。移行したデータは、DXライブラリ内で自動的に振り分けられ整理されます。使いづらいと感じる場合は振り分けるフォルダをカスタマイズするとよいでしょう。
DXライブラリ内のデータは他のコンテンツと連携して利用することも可能です。例えば、社内ミーティングに便利なツール・Slackにデータを添付すれば簡単にデータを共有できます。
インターネットがつながっていればどこからでもデータにアクセス可能になるので、DXと同時に在宅勤務など社員の働き方改革も推進できるでしょう。DXライブラリを活用すれば、業務の効率化だけでなく社員の労働環境改善にも役立つのです。
DXライブラリ化がもたらす効果
仕事上の情報やデータはもちろん、個人的に必要な情報など、私たちが日々検索して使用し、他者と共有する情報は莫大なものになります。DXライブラリを導入すれば、その莫大なデータを瞬時に処理することが可能です。
また、社員の在宅勤務を含めた働き方改革を行うためにもDXライブラリは有効です。業務を機械化することで人材不足を解消する効果もあるでしょう。
自社の業務効率化・生産性向上のために、DXライブラリの活用を考えてみてください。
文:xDX編集部 画像提供:Getty images, photoAC