DX人材に必要な資格とは?役立つスキルや資格の種類をご紹介
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DX人材に必要な資格には、どのようなものがあるのでしょうか。そもそもDX人材というものがよくわからない、聞いたことはあるけど本当に必要なかどうかがわからないという人も少なくないでしょう。
そこで今回は、DX人材に関する基本的な知識、必要とされる資格などを詳しく解説します。この記事を参考に、前向きに資格取得を検討してみてください。
なお、「DXとは何か?」について体系的にチェックしたい方は、以下の記事でxDX編集長が詳しく3万字で解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。
▶︎[編集長が3万字で解説]DXとは?注目の背景から行政/民間/生活者への影響、活用技術、推進のポイント、最新トレンドまでを体系的に解説
そもそもDX人材とは?
DX人材とはデジタル技術を活用して、企業に変革をもたらすことのできる人材のことです。ただ単に「デジタルに強い」「ITのことを知っている」というだけではDX人材とはいえません。あくまで自ら率先して事業や企業に対して変革をもたらすことができる、システムの刷新・ペーパーレス化を進めるなどの組織を変えることができる人材のことを指します。
デジタル技術に詳しく、変革をもたらすDX人材はどこの企業でも求められています。また国も自治体に対してDX人材を入れることを推奨しているため、これからもどんどんDX人材を必要とする企業や自治体は増えていくことでしょう。
DX人材の必要性① 生産性の向上や業務効率の改善
DX人材がいれば、手作業で行っていた簡単な作業などを自動化することができ、空いた人手を別のところへと回すことができるため生産性が大きく向上します。組織全体でのシステム変更だけでなく、事業においてもデジタル技術を活用して変革をもたらすことができ、より生産性を向上させることができるでしょう。
また、顧客管理システムや社内システムの刷新を図ることで業務の効率化を行うことも可能です。業務の効率化によって無駄な作業をなくし時間短縮できるため、その分のリソースをより重要度の高い業務へと割くことができます。
DX人材の必要性② コストの削減
DX人材を導入して業務の効率化を図ることで、将来的なコストの削減につながります。なぜなら紙やペンなどの事務用品が大幅に減り、書類の処理に必要な人材も大幅に減らすことができるためです。デジタル導入時にはかなりのコストがかかりますが、長期的に見れば経費を削減できるようになります。
資格取得の意義と注意点
DX人材には、業務に必要であり、なおかつ企業を変革できる専門スキルや知識を備えていることが求められます。資格を取得することでDXに有効なスキルや知識を身につけている証明になり、DX推進の成功率が高まるのです。
ただし、DXを推進できる人材としての適性があるかどうかという点が大切です。例えば、DXにまったく興味がない人がDXの資格を取得するのは非常に難しいです。業務のデジタル化に抵抗がある人、既存システムで十分と思っている人はDX推進にふさわしい人材とはいえないでしょう。
また、資格を取得することがゴールではないということも忘れてはいけません。企業のDX推進や今後の事業に資格を活かして取り組むことが大切です。
必要な資格を紹介
DXを推進するうえで、できるだけ取得しておきたい資格にはどのようなものがあるのでしょうか。もちろん、必ずしも資格が必要なわけではありませんが、資格があればそれだけの能力があることを周囲にアピールすることができます。DX人材が有用な能力を身に着けて資格取得をすれば、その分企業としての底力も上がり、競争力も上がります。いくつかご紹介するので、企業に合った資格を取得しましょう。
必要な資格① AI実装検定
AI実装検定は、民間の資格です。AIに関する検定試験であり、最も難しいS級であればAIに関する実践的な力があることを証明できます。基礎的なことだけでなく、ディープラーニング(深層学習)に関する知識やスキルも必要とされます。そのほかにもA級やB級など実力によって対応する級があるため、AIに関する知識や画像処理など自身の実力がどの程度であるのかについて、対外的にわかってもらうことができるでしょう。
必要な資格② AWS認定試験
AWS認定試験とは、クラウドの専門家として認められるために必要な資格です。とくにエンジニアには必要とされる資格であり、アプリケーション開発ができるほどの技術があるかどうかなどを知ることができます。提供しているのは大手企業のamazonであり、AWSを通して技術力や専門的な知識があるかどうかを図る資格です。ベーシック・アソシエイト・プロフェッショナルと呼ばれる3段階のレベル設定がされており、レベルによって周囲もどの程度の能力があるのかを判断できます。
DX推進のためにクラウドサービスを導入する企業は増えています。AWSはその中でもメジャーな資格です。DX人材であれば取得しておくべき資格といえるでしょう。
必要な資格③ ITに関する資格
IT関連で必要な資格は、いくつかあります。たとえばDX人材に必要とされる資格の一つに国家資格であるITストラテジスト試験があります。高度情報処理技術者試験の1つであり、IT戦略知識だけでなくコンサルティング能力や経営戦略知識もあることが証明できます。そのほか、同じく国家資格の情報処理技術者試験も必要とされることがあるでしょう。この試験に合格しているということは、情報処理に関する一定以上の知識や技術があると認定されているということになります。
また、ITコーディネータ試験も推奨されています。ITの活用を経営目線から実現することができるスキルを持っているということがわかる資格であり、ITについて詳しいだけでなく経営戦略にも携わることができるということを証明しています。
必要な資格④ データスペシャリスト試験
データスペシャリスト試験では、莫大なデータベースを管理する必要があり、さらにシステムを設計するスキルも求められます。試験は非常に難しく、合格率は2割以下です。必要と思われる資格の中でも、群を抜いて難しい資格といえますがその分、この資格があればリーダーなどを任されることもあります。誰でも簡単に取得できる資格ではありませんが、国家資格であることから信頼性は抜群です。DXに関する専門的なスキルをより高めたいのであれば、取得の検討をおすすめします。
必要な資格⑤ Python3エンジニア認定試験
Python3エンジニア認定試験は民間の資格であり、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が取り扱っています。内容としてはプログラミング言語を用いたものになっていて、基礎試験とデータ分析試験の2つがあります。基礎試験はその名の通り、基礎的なことができていれば問題なく通過できるレベルであり、初心者の入門としてはちょうどよいといえるでしょう。一方で、データ分析試験のほうは高度なデータ分析や機械学習に対する知識が必要です。
必要な資格やスキルを取得してキャリアのステップアップを目指そう!
DX人材に関する資格は数多くありますが、「必ずこの資格を習得していなければならない」というものはありません。とはいえ、資格を持っていれば自分の能力を、周囲にわかりやすく示す指標となります。DXに関する資格は種類や難易度もさまざまです。希望する部署で役立つと思われる資格を優先して取得するといいでしょう。もちろん、難易度が高い資格や国家資格など、信頼性の高い資格を取得している方が有利です。
1から人材を育成することは難しいですが、資格を取得するために勉強することで必要な知識や技術を身につけることができれば、DX人材を効率よく育成することができます。必要な資格やスキルを取得して、DX推進・成功に役立つ人材となるためのステップアップを目指しましょう。
文:xDX編集部 画像提供:Getty images, pixabay