DX時代とは?2025年に向けてやるべきこと
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ビジネス記事やビジネスニュース等を見ていると、データやデジタル技術を活用する企業が数多く紹介され、DX時代の到来を感じる場面が多くなってきました。
しかし、これは限られた大企業だけの話ではありません。自社内でもIT人材の活用やAIの導入といった、DXを推進する動きがあるのではないでしょうか?
この記事では、なぜ今DXが求められているのかを解説します。具体的に、社内でどうDXを進めていけばいいのかも紹介していくので、自社がDX時代を生き抜くためのヒントにしてみてください。
なお、「DXとは何か?」について体系的にチェックしたい方は、以下の記事でxDX編集長が詳しく3万字で解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。
▶︎[編集長が3万字で解説]DXとは?注目の背景から行政/民間/生活者への影響、活用技術、推進のポイント、最新トレンドまでを体系的に解説
DX時代とは?どうして今DX推進が求められているのか
今、DXの必要性が叫ばれていますが、どうしてDXを推進していかなければならないかあまり理解できない人も多いでしょう。まずは、DXの基礎知識と、どうしてDXの推進がこの時代に求められているかを知る必要があります。
DXとは何か
DXとはDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略称です。ITをさまざまな分野で取り入れることで、人々の生活をより便利で質の高いものに変革していくことを指しています。
DXは、私たち個人が行っていくものというよりは、企業が行っていくものです。顧客や社会に、より貢献できるようにITを利用して製品やサービスを変革していくと同時に、企業の競争力を高めていくものになります。製品だけでなく、業務プロセスやビジネスモデル、企業の風土といった目に見えない部分も変革していかなければなりません。
今DXが求められる理由とは
今DXが求められる理由には、さまざまなものがあります。
ビジネスが多様化している
デジタル技術が進むと、ビジネスの形態も多様化します。例えば、これまでは対面販売のみを行っていた小売業が、インターネット販売を行って販路を拡大する、日本だけでなく世界を相手にして商売を始める、などです。
ビジネスの多様化で便利になる反面、既存の産業に新たな参入者が次々と現れるといった事態も起きています。この競争を生き抜くためには、DX化が必要だと言われています。
既存システムのレガシー化
現在、企業が使用しているシステムは、年月が経つにつれて老朽化していきます。古いシステムを維持するにはコストがかかり、複雑化していくため、早急に新しいシステムに刷新する必要があります。
モノ消費からコト消費へ
消費者の消費スタイルも変わりつつあります。昔はモノの消費だったのが、現在は体験や経験といったコト消費に変わってきています。企業は、消費者マインドの変化についていけないと時代遅れとなってしまうでしょう。
2025年の崖
上記で解説した事柄を解決できない場合、2025年以降の経済損失が最大12兆円/年になる可能性があります。IT人材の不足や、旧システムのサポート終了、市場変化などの要因が絡み合うことが原因です。
DX時代を生き抜くために今自社でできること
2025年の崖を回避するためには、早急に自社をDX化していかなくてはなりません。ここでは具体的にどのようにDXを進めていけばいいのかを解説します。
レガシーシステムの刷新
まず取り組むべきなのは、老朽化したレガシーシステムの刷新です。昔から運用されてきたシステムは、部署ごとにカスタマイズされている、膨大なデータが蓄積されている、互換性のないシステムが部署ごとで使われているなど、複雑な状況になっていることが多くあります。
これらのシステムを一元化や整理しようとしても、当時のシステム担当者が退職や異動で不在になっているケースは珍しくありません。その場合は、無理に老朽化したシステムをいじろうとするのではなく、思い切って新しいシステムに刷新するのがおすすめです。
最初は、システムが変わることへ社内の抵抗があるかもしれませんが、このままレガシーシステムを使い続けてもいずれ限界がきてしまいます。社内のDXへの意識を高めてシステムの刷新を目指しましょう。
人材の登用
どんなに最新のシステムを取り入れたとしても、システムを維持・管理・運用できるデジタル人材がいないとシステムを十分に活用することはできません。
DX時代では、このデジタル人材をいかに確保するかが大切になってきます。優秀なデジタル人材は、どの企業からも引く手あまたです。他社よりも先に有望なデジタル人材を採用する、もしくは将来を担うデジタル人材を育てるといった対応が欠かせません。
デジタル人材を雇うためにはそれなりの人件費がかかりますが、必要経費なため出し惜しみしないようにしましょう。
所属部署別!今からできるDXとは
では、具体的にどのようにDXを進めていけばよいのでしょうか?DX化する方法は、所属部署によって異なります。ここでは、管理部署と営業部署を例に挙げ、分かりやすく解説します。
人事や総務などの管理部署
人事や総務といった管理部署でのDX化は、いまいちピンとこないかもしれません。しかし、管理部署でのDX化は業務効率化や働き方改革にも繋がるため、できることから取り入れていくのがおすすめです。
まずはペーパーレス化に取り組んでみましょう。例えば、社内会議で使用するデータやプレゼン用の資料をいちいち印刷して社員に共有する、といった方法では時間もコストもかかってしまいます。PDFやPowerPointを用いて、ペーパーレス化に努めましょう。
他にも、どんな場所でも仕事ができるようにテレワーク体制を整えたり、ルーティーン化している業務をロボットに任せてしまうRPAもおすすめです。
育児や介護中の社員がテレワークを行うことで、自宅でも会社と同じように仕事ができるようになります。また、これまでデータを手入力していた事務部門にRPAを導入することでヒューマンエラーを防ぐことができる、といったメリットもあります。
個人営業や店舗での接客業などの営業部署
対面接客や電話応答など、アナログな方法がメインになっていることが多い営業部署も、DX化は可能です。
おすすめは、オンライン接客です。顧客からの問い合わせは自社サイトにチャットボットを設置することで自動化できます。また、オンラインでのWeb接客を導入することで遠方の顧客や外出が難しい顧客ともコミュニケーションを取ることができるようになります。これまで「接客=顧客と対面」という図式だったのが、オンライン化することで世界中の顧客と繋がることができるのです。
オンライン接客は、コストの削減も可能にします。例えば、顧客への電話対応のために、各エリアにコールセンターを設けていたり、専門のスタッフを雇っていたりすることもあるでしょう。もし顧客対応の一部をデジタル化できれば、それらのコストを削減することができます。
また、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)を採用すれば、これまで営業スタッフの勘と経験に基づいて行われていた顧客管理を自動化することも可能です。営業以外の業務を楽にすることができる上に、売上アップも見込めます。
スタッフは、余計な業務に時間を割くことなく営業のみに集中できるため、働き方改革にも繋がります。
DX時代を生き抜くためには今すぐ取り組むことが必要
大きな経済損失が生じる2025年の崖を避けるためにも、DXはすぐにでも進めていかなくてはなりません。システムが老朽化していくと、それを維持するために膨大な労力がかかる上に、サポートが終了してしまうといった実質的な問題も発生します。レガシーシステムを刷新し、新しいシステムを導入することがDX時代を生き抜くための第一歩です。
また、優秀なデジタル人材を雇い、自社でも育てていくといった人材確保も重要になってきます。まずは、管理部門でのペーパーレス化や、営業部門でのオンライン接客といった、取り組みやすい部分からDX化していくことがおすすめです。できるとこからデジタル化を進め、DX時代を生き抜いていきましょう!
文:xDX編集部 画像提供:Getty images, pixabay