行政のDX化で社会はどう変わる?自治体の取り組みや今後について

行政のDX化で社会はどう変わる?自治体の取り組みや今後について

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ITの分野においては、スマートフォンの普及やSNSの広がり、今では5Gといったインターネット回線の進化やデバイスの進化により、ここ数年で世の中の動きが大きく変わりました。これらはなくてはならないものではなく、あくまでも社会を便利にしていくことが前提で作られてきた商品やサービスですが、社会の課題として取り組まなければならないこともあります。

それは、労働人口の減少や社会のデジタルシフトにおいて、国や自治体、民間企業においてDX化を進めていくことです。

今回は、行政がDX化に取り組むべき理由や、自治体でのDX化の事例についてご紹介していきます。

行政がDX化に取り組むべき理由

まずは、なぜ行政がDX化を進めなければならないのか、あらためて確認しましょう。

労働人口の減少

労働人口の減少は明白なため、今後は人に変わる労働力と、生産性向上が必要になると考えられています。2008年をピークに日本の総人口が減少していることにともなって、2040年には労働人口が5,978万人になるといわれています。そして、2060年には労働人口は4,418万人になる見込みで、日本の全人口に対して労働人口は半分を割り、1.2人で1人の高齢者を支える社会になると考えられています。

このような社会は、民間企業の人手不足の問題だけに限らず、自治体や行政にも影響を与えます。つまり、人手不足を解消していくことは日本全体の問題であり、解決策の一つにDXがあります。DX化を進めることは、生産性向上をするという目先の成功だけではなく、今後迫りくる労働人口減少の問題解決の一つの施策ともいえるでしょう。

社会のデジタルシフト

民間企業も同じく労働人口についての課題があるため、民間企業は既にデジタルシフトをしており、社会はデジタルシフトをする流れになっています。マーケティング活動一つにしても、足で稼ぐだけでなく、ビデオ会議ツールや電話を利用したインサイドセールスを取り入れている企業が多く存在します。

働き方を変えざるを得ない状況を作ったのは、国が提唱している働き方改革もありますが、新型コロナウイルスの感染拡大が広がったことも一つの要因として挙げられます。

コロナ禍で急速する非接触対応

新型コロナウイルスの感染拡大が世界中で問題になっているなか、日本でも例外なく対策が行われています。いわゆる3密を避けることや、マスクをすること、手洗い消毒をすることはマストになっています。

同時に、DXをもちいた非接触対応が求められています。

政府の重要取組「デジタル基盤・ルールの整備」

非接触対応が必要になるなか、政府は令和3年度の重要取組の一つとして、デジタル基盤・ルールの整備を掲げています。例を挙げると、共通認証システム「GビズID」を利用した行政サービスの利用です。GビズIDとは、1つのアカウントを利用して複数の行政サービスにアクセスできるもので、電子申請が簡単にでき、一度申請した情報の再記入を不要とするサービスです。

このように国は、これまでの行政の手続きを変革した方法を考え、施策として打ち出しています。

行政手続きにおける「ワンスオンリー化」

ワンスオンリー化とは、行政に民間企業が手続きで書類などを提出した際に、その情報は再度提出する必要がなくなる仕組みです。これまでさまざまな行政のサービスを受けるとき、何度も同じ情報を提供する必要がありました。ところが、ワンスオンリー化が進むことでこの手間が省けます。情報の提出は民間業者にとってもちろん手間ですが、実は行政にとっても手間となっていたため、デジタルシフトすることでこれまでの手続きを変革させるものとなります。

デジタル手続きには、「デジタルファースト」「ワンスオンリー」「コネクテッドワンストップ」があります。紙ではなくデジタルを優先させるデジタルファーストから、ワンスオンリー、引越しなどの際に民間と行政が連携してワンストップで処理を完結することが、未来の行政手続きになっていくといわれています。

デジタル・ガバメント推進から3年で変わった社会

デジタルシフトは2017年から「デジタル・ガバメント推進」として施策が進められてきました。2017年に掲げられたデジタル・ガバメント推進から3年経ち、社会は実際にどう変わってきたのかをみていきましょう。

デジタル・ガバメント推進とは

首相官邸の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部が平成29年に出している「デジタル・ガバメント推進方針」によると、日本が掲げる社会的課題を解決し、経済成長をするためには、「デジタル・ガバメント」つまりデジタル政府になっていくことが重要であり、不退転の覚悟を持って変革に取り組む必要があるとしています。

この方針が出されてから日本はどのように変わってきたのでしょうか。

急速に変化してきた社会

デジタル・ガバメント推進方針が出されてから3年経ち、国を始め自治体も大きく変化をしてきました。新型コロナウイルスの感染拡大もあり、多くの人々が予測していたよりも急速にデジタルシフトが進んでいます。自治体の中にはRPAを導入したり、顔認証システムを導入したりするなど、これまで考えられなかったような働き方や、手続きの方法を取り入れており、迫りくる社会的課題に対しての解決策をそれぞれの自治体でも見出そうとしています。

自治体におけるDX取り組み事例

ここからは、実際の自治体の今の取り組みを事例としてご紹介していきます。

奈良県奈良市のRPA導入

奈良県奈良市では、RPA導入をしています。RPAとは、ロボティクス・プロセス・オートメーションの略で、つまりロボットによる作業の自動化を進めるものです。人間が行うべき仕事は、頭を使って考えることや、効率化を図ること、仕組みを作ることなどですが、ロボットでもできるような作業ベースの仕事は、ロボットにやらせてしまおうというのがRPAの考えです。

このRPAを導入しているのが奈良県奈良市で、平成30年5月から2か月ほどかけて庁内業務の効率化を図る実証実験を行ない、「よりコンパクトな市役所」の実現に向けて、検証を進めています。

富士市における「顔認証システム」の社会実験

富士市の顔認証システムについてご紹介します。NECの発表によると、富山県富山市からの委託を受け、2020年10月1日~2021年3月31日までの期間で顔認証サービスを利用した実証実験を行っています。富山市内のさまざまな店舗において、カードやスマホを持たずにキャッシュレス決済ができるというもので、実現すれば人々の買い物は大きく形を変えていくでしょう。

自治体のデジタル化ベストプラクティスのシェアが今後の課題か

2019年に経済産業省の発表した資料によると、自治体がまずはモデルケースを作ることが必要で、その成功事例を元に全国の自治体がDX化していくことが必要ではないかと伝えています。

ベストプラクティス、つまりDX化を進める上での最適な状態がどのようなものかをまずはつかみ、その仕組みを横展開していくことで一気に広まりを見せていくことが必要だということです。この課題に取り組むべく、各自治体は独自の動きをみせています。

ベストプラクティスとして、全国に横展開できる形を作り出すのは、どこの自治体になるのでしょうか。

2040年を待たずにDX化は進む?

労働人口減少の問題はまだまだ先の話に思えるかもしれませんが、すでに新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、民間企業をはじめ、自治体や行政もDX化に取り組んでいます。当初数十年先に整備されると考えられていたDXも、この数年の間には形を作っていくのではないでしょうか。

それぞれの自治体で取り組み方は異なりますが、ベストプラクティスとなるような仕組みをどこの自治体がどのように仕組み作りするのか、今後が楽しみです。

文:xDX編集部 画像提供:Getty images

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