チャットボットとは?種類や導入時の注意点、ニーズ別のおすすめチャットボットを紹介!
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2018年に成立した働き方改革関連法を受け、企業は生産性向上を求められるようになりました。人手不足の中で業務効率化を図るために注目を集めたのがチャットボットという新たなツールです。チャットボットサービスの種類や対応するニーズは多岐に渡るため、自社にあったチャットボットをどのように選定・導入していくべきか頭を悩ませる方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、チャットボットの種類やニーズ別のおすすめチャットボットを紹介しつつ、チャットボット導入時の注意点について解説します。
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チャットボットとは?
チャットボットとは、対話・コミュニケーション(=Chat)とロボット(=robot)という二つの単語からなる造語です。その名のとおり、チャットボットとは人間に替わりロボットが会話形式でユーザーからの問い合わせに自動で対応したり、Webを訪れたユーザーに語りかけたりするコミュニケーションツールのことです。身近な例としては、『Siri』、『Googleアシスタント』などが挙げられます。
チャットボットの起源は1960年代に誕生した「ELIZA」と言われています。AIが搭載される以前は、「人工無能」と言われ、テキストを用いた会話を行うものでした。
チャットボットの種類は?
チャットボットの種類は大きく次の2つに分類されます。
(1)AI型、(2)シナリオ型
各々、以下の特徴をもっています。
(1)AI型
人工知能を搭載したAI型は、機械学習機能、ディープラーニング技術を用いて、ユーザーと自動的に対話・コミュニケーションを行うものです。ユーザーとの過去の会話を通じて得たデータを元に機械学習をし、ディープラーニング技術を用いて、回答の精度が向上していく点が特徴です。そのため、チャット中のユーザー離脱を抑える効果が期待できます。
デメリットとしては性能が高い分、高コストになる点です。
(2)シナリオ型
人工知能を搭載しないシナリオ型は、想定される顧客からの質問、回答内容を事前にプログラムし、自動で回答する点が特徴です。ユーザーがカテゴリから選択する形になるため、質問に対する回答が決まっているマニュアル対応などに適しています。また、非常に低コストでの導入が可能な点が特徴です。
シナリオ型チャットボットのデメリットは、プログラムされていない質問に対しては回答が止まってしまうことが挙げられます。またカテゴリから選択した質問に対して一問一答で答えるなどシンプルなやり取りは可能ですが、複雑な会話のキャッチボールは難しい場合があります。
そのほかにも、AI型、シナリオ型の2つの特性を兼ね備えた、ハイブリッド型のチャットボットもあります。それぞれのメリット・デメリットを理解しながら自社に適したチャットボットを選択しましょう。
ニーズ別に紹介!おすすめのチャットボット
ここでは、ニーズ・用途別におすすめのチャットボットをご紹介します。
問い合わせ対応業務を削減したいとき
社内外の問い合わせは、内容を整理していくとほぼ同じ質問に集約されるため、チャットボットで自動応答に切り替えると生産性向上が見込めます。
たとえば、コールセンターなどの顧客の問い合わせ対応を行う部門でチャットボットを導入すれば、スタッフの労力を大きく削減でき、残業時間の削減や、離職防止にも繋がります。また、社内でよくある問い合わせも同様にチャットボットで対応することで、業務効率化に繋がるでしょう。
代表製品は株式会社ユーザーローカルのサポートチャットボットです。
株式会社ユーザーローカル
サービス名:サポートチャットボット
URL:https://chatbot.userlocal.jp/
・低価格で導入でき、サポート・カスタマイズも無料で提供。
・カスタマーサポート、社内サポート双方で導入実績多数。
・有人チャットと連携し、チャットボットで対応できない事例をエスカレーション可能。
売上アップしたいとき
海外ではチャットボットがマーケティングにも活用されています。チャットボットは、顧客との会話のやり取りをデータとして収集・分析・活用ができるためマーケティングに最適なのです。
チャットボットを通じて、顧客のインサイトを把握すれば、短期的には見込み顧客の獲得、長期的にはCVR向上に寄与し、売上アップが見込めます。
おすすめのチャットボットは株式会社ジールスのジールスです。
株式会社ジールス
サービス名:ジールス
URL:https://lp.fanp.me/case/
・”会話を通じて商品を買っていただく”に特化したチャットツール。
・料金体系は成果報酬型を導入。
・各種決済サービスと連携し、LINEなどでの商品購入が可能。
顧客満足度を高めたいとき
チャットボットは24時間365日顧客対応が可能できるため、営業時間外にコールセンター等を稼働させなくても、いつでも顧客対応が可能です。そのため人件費削減や、顧客満足度の向上に繋げることができます。
チャットボットを導入すれば顧客を待たせることがなく、営業時間外や急ぎの問い合わせにもすぐに回答を出すことができます。昨今、問題となっている人材不足という経営課題を解決するツールとしても注目が集まっているのです。
おすすめのチャットボットは株式会社BESPOKEのBevotです。
株式会社BESPOKE
サービス名:Bevot
URL:https://www.be-spoke.io/jp/
・24時間対応。日本語だけでなく、多言語に対応。
・独自のAI搭載。緊急時には同社オペレーターが対応。
・ホテルや交通機関向けの他、緊急・災害対応にも活用。
チャットボット導入時の注意点は?
業務改善、売上向上、顧客満足度向上などメリットの多いチャットボットを導入する際に注意したいポイントをご紹介します。
サポート体制の確認をしよう
チャットボットは大きく分けて3つのサポート体制があります。
ひとつ目は「セルフサービス型」で、低価格で導入できる点がメリットですが、導入後の設定やシナリオの構築などは自社で行う必要があります。
二つ目は「サポート付きクラウド型」で、セルフサービス型と異なり、導入時にの詳細設定までサポートを行ってくれるものです。セルフサービス型に比べ、初期費用や月次費用が割高になる傾向があります。
三つ目は「オンプレミス型」で、自社で用意したサーバーにチャットボットを設置できるため、セキュリティ基準が厳しい企業に好まれています。デメリットとしては導入期間が長く、初期費用も高くなる点です。
シナリオ型は定期的な会話見直しが必要
機械学習・ディープラーニング技術で会話するAI型と異なり、シナリオ型は自動で会話の質が向上するわけではありません。そのため、定期的にシナリオ設計や想定した質疑応答内容を見直していくことがポイントです。
また、AI型も回答精度を向上するために、定期的に機械学習やディープラーニング技術のチューニングが必要になります。
シナリオ型、AI型ともに導入後のメンテナンスが必要になるため、導入後のサポート体制についても事前に確認すると良いでしょう。
導入後~成果が出るまでに時間がかかる
チャットボットを導入したからといって、すぐに売上や顧客満足度が向上するわけではありません。
AI型では機械学習やディープラーニング技術のメンテナンス、シナリオ型は定期的な質疑応答・シナリオの見直しを行うことで、チャットボットの精度が洗練されていきます。そのため、チャットボットを定期的に見直す担当者の配置、導入における社内の期待値を調整することが大切です。
ニーズ別にチャットボットを活用し、生産性向上・顧客満足度アップにつなげよう
チャットボットを導入・活用することで業務や残業削減が期待でき、ゆくゆくは生産性の向上や売上アップにも効果的です。
チャットボットの力を最大限活用するためには、社内で導入の目的を明確にし、自社に適したツールを選択する必要があります。また、導入後も定期的にメンテナンスを行うことで、チャットボットの精度を上げて成果に導いていくことが重要です。
まずは自社の業務を棚卸しし、チャットボットを導入することで期待できる効果を検討することから始めてみてはいかがでしょうか。
文:xDX編集部 画像提供:Getty images