金融にDXはどう影響する?ウィズコロナで急速するデジタルシフト

金融にDXはどう影響する?ウィズコロナで急速するデジタルシフト

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令和3年度の内閣府の重点施策では、新型コロナウイルス関連の取り組みだけではなく、デジタル化へ向けた規制や制度の見直し、書面や押印といった規制の見直しなどが発表されています。その中でも、特に注目されているのがDX(デジタルトランスフォーメーション)ではないでしょうか。

ここでは、コロナ禍で急速するDX推進について「金融」にはどのような影響があるのか、ご紹介します。

コロナ禍で進むDX推進

新型コロナウイルスの影響もあり、ここ1年で社会が急速にデジタルシフトしています。急速に高まったデジタルシフトは、政府や大企業だけの問題ではなく、中小企業においても、すぐそこにきている課題といえるでしょう。

DXは「デジタル化」ではない

DX=デジタル化という認識をしている方も少なくありませんが、デジタル化しただけではDXにはなりません。

DXには「デジタルを利用した変革」という意味があり、デジタルを利用した企業の働き方・販売方法・物流など、さまざまな点での変革をさします。

経済産業省が発表した「DX推進ガイドライン」によると、DXにより実現すべきものとして、以下のように定義しています。

 - ビジネスモデルの変革が、経営方針転換やグローバル展開等へのスピーディーな対応を可能とするもの -

引用:経済産業省 デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン
https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf
つまり、デジタルを利用してビジネスそのものを変革することが求められています。 

ウィズコロナ時代でDXは急速化

新型コロナウイルスの影響により、人々は「接触しない」「外に出ない」ことを意識し、企業も社会に合わせたデジタルシフトが求められ、DX化が急速に進んでいます。新型コロナウイルスがいつ終息するのか、その答えは誰も知る由がありませんが、これからのウィズコロナ時代においては、ますますDX化が求められ、多くの企業がDX化を実現していくでしょう。

また、新型コロナウイルスの問題がなかったとしても、これから迫りくる労働人口減少の問題において、人がやらなくてもよい仕事はロボットにおこなわせるといった、AIやRPAなどのシステムを利用した業務改善が求められています。

金融機関にどのような影響を与えるのか

金融機関においてもDX化は例外ではなく、金融機関自体に変革が求められています。金融機関におけるDXでは、企業のデジタル投資や金融機関自体の手続きの簡素化などが課題となっていくでしょう。

企業のデジタル投資

企業の大・中・小に関わらず、DX化が求められており、多くの企業はこれからデジタルへの投資をしていくことになります。そのとき、金融機関の融資を利用する企業が多くなり、金融機関は体制を整備していくことが求められるでしょう。

求められる手続きの簡素化

デジタル投資を進める中で、今後融資に関する手続きの簡素化や、非対面などの対応を求められる可能性があります。

新型コロナウイルスの感染拡大が広がり、ますます人々は非接触を求めるようになり、非対面での対応は金融機関でも必要不可欠になっていくでしょう。国の施策として行われてきたマイナンバー制度も、手続きの簡素化につなげるための一つの方法でしたが、現在まだその利便性は国民に理解されておらず、使用している方も少ないのではないでしょうか。

新型コロナウイルスの感染拡大もあり、マイナンバー制度を利用した新たな手続き方法などによって見直されていくことでしょう。

金融機関はDXでどう変わる?

2021年、多くの企業や行政がDX化を進めていく中で、金融機関にはDXによるどのような変革が求められるのでしょうか。ここでは、IBMが出している金融機関のロードマップをもとに考えていきましょう。

金融機関自体の変革

IT業界大手のIBMが出している金融機関のロードマップによると、今後求められる変革について以下のように表現しています。

現在9:1となっているデジタル比率は、近い将来6:4になり、その過程としては、「デジタル推進」→「新金融サービス」→「非金融サービス」になるだろう。

つまり、銀行は現在の銀行としてのビジネスにとどまらず、新たな銀行ビジネスが将来像として考えられるという見方をしています。銀行も一般的な企業と同様に、変革していかなければビジネスそのものが成り立たず、変革をしてきた金融機関のみが、消費者から利用されるサービスを作り上げていくことができるのではないでしょうか。

顧客接点の変革

DXという点において、銀行で真っ先に考えられるべき対応は、顧客との非接触による手続きです。金融では対面での手続きも多いため、金融機関には非対面や非接触といった対応が求められるでしょう。現在のオペレーションモデルでは、顧客と従業員の対面による融資相談、さまざまな手続きを行っています。

しかし、DXを進めるにあたって、オペレーションモデルの変革も必要となります。

セブン銀行に学ぶ金融のDX

ここで、既にDX化を進めているセブン銀行を例に、金融のDXについて考えていきましょう。

セブン銀行は正式名称「株式会社セブン銀行」といい、資本金307億円を超える大企業。コンビニのセブンイレブンを傘下に持つセブン&アイホールディングスの金融サービスです。コンビニを持っている強みを生かし、セブン銀行は全国のセブンイレブンに自社のATMを備え付けています。

リアル店舗を持たない銀行であるということと、顧客と一切対面しないという仕組みについて見ていきましょう。

リアル店舗を持たない銀行

セブン銀行にはリアル店舗がなく、インターネット上の支店のみを持っています。従来の銀行は、都市銀行や地方銀行など、リアルな店舗を持ち、店舗での手続き業務を中心に運営しています。しかし、リアル店舗を持たないセブン銀行は、これまでの銀行としての「当たり前」を変革しているといえるでしょう。

このような変革が、企業だけではなく金融機関にも求められています。

顧客と一切対面しない仕組み

セブン銀行は、ATMとインターネット上の手続きのみで、入出金や振り込みなどができます。つまり、行員と顧客が一切対面せずにさまざまな手続きを行えるということです。セブン銀行に口座を持つところから既に対面での手続きがないため、セブン銀行を利用するために対面接客をすることは一度もありません。

セブン銀行はATMやネットバンキングのイニシャルコストのみで、通常必要となる運営のためにかかる人件費の削減や、固定の店舗を持つ不動産の固定費を削減しつつ、顧客満足を高め、時代に合ったサービス提供をしていることになります。

アプリやキャッシュレス決済

セブン銀行はATMというリアルな接点に加え、アプリやキャッシュレス決済というデジタルを掛け合わせたサービスを展開しています。セブン銀行は、「Myセブン銀行」や「セブン銀行通帳アプリ」といったアプリのサービス提供をしており、Myセブン銀行では、スマホだけでATMの入出金やカードローンの借り入れ・返済ができるサービスを提供しています。また、セブン銀行通帳アプリでは、その名前の通り通帳機能を持ち、残高照会や利用明細照会、月間の収支確認、ダイレクトバンキングなどさまざまな機能を持つサービスとして提供しています。

まさにスマホATMとしての機能を持つセブン銀行は、非接触時代の先駆者としてサービス提供をしている金融機関といえるでしょう。

このように、デジタルを利用した事業モデルの変革こそ、DXの理想像のひとつです。

ウィズコロナで金融のDX化も急速化

新型コロナウイルスの感染拡大が広がり、社会は大きく変化してきています。これまで当たり前だったことが当たり前にできず、これからの常識はこれまでの常識とは全く異なる社会が広がり、ウィズコロナ時代に消費者も商品やサービスを提供する企業も、行政も金融も、大きな変化が必要です。

特に、今回ご紹介した金融においては、非対面・非接触が求められ、それに対応するためのDX化の取り組みが必要になってくるでしょう。

文:xDX編集部 画像提供:Getty images

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