学生個人の最適な学びと新しい教育手法の提供に向けた 仮想空間授業の実証実験を実施

日本電気株式会社(注1、以下 NEC)と学校法人電子学園情報経営イノベーション専門職大学(注2、以下 iU)は、学生個人ごとの最適な学びと新しい教育手法の提供に向けて、iUのラーニング・アナリティクス(注3)研究と、NECが保有するXR技術および「NEC感情分析ソリューション(注4)」を活用した、仮想空間授業の実証実験を実施しました。

今後、両者はさらなる実証を重ね、実証で取得したデータから学生個人の傾向を分析し、教員が行う学生指導や学生自身の主体的な学びを加速する仕組みに活用していきます。また、XR技術や高速大容量・低遅延な通信を実現するローカル5Gなど先進技術の活用によって学びの場所・機会を増やし、メタバース時代における新しい学び方の提供を目指していきます。

背景

高等教育機関において「主体的・対話的で深い学び」に関する実践が広がっています。特に大学の学士課程教育では,知識伝達に重きを置く受動的な学修形態から、教員と学生が対話し知的に成長する場を作り、学生が主体的に問題を発見し、解を見出していく能動的学修(アクティブ・ラーニング) (注5)への転換が進められています。

このような「主体的な学び」と「対話的な学び」から「深い学び」へつなげる教育実践の中で、学生が学習に対して興味をもって参画しているのか、対話にどの程度関与しているかなどを、迅速かつ定量的に把握し、指導に活用することができれば「主体的・対話的で深い学び」を支援することができます。

「主体的な学び」と「対話的な学び」から「深い学び」へつなげる教育への転換は、新しい学習指導要領でも重視されており、高等教育機関だけでなく、初等中等教育機関等、幅広い教育現場において指導方法等を充実させていく必要があります。

実証実験の概要

本実証では、物理的な制約が少ない仮想空間において、論理的思考力・問題解決力・数量的スキル・情報リテラシー、およびコミュニケーションスキルなどの育成に焦点をおいた学生参加型授業を実施しました。装着デバイスから取得した行動データ、およびバイタルデータから感情の変化を分析し、学生個々の授業への集中度や興味を持ったポイントなどを確認しました。

各者の役割

iU
  • 教員と学生が、VRゴーグルとウェアラブルデバイスを装着して同空間にアバターとして参加し、授業を実施
  • 取得データの有効性の評価
NEC
  • 仮想空間の構築
  • 行動データやバイタルデータの取得、分析

取得したデータの有効性の確認

NECは、VRゴーグルから取得した視線や会話などの行動データやウェアラブルデバイスから取得した心拍変動データに対して、「NEC 感情分析ソリューション」を活用し、感情変化、覚醒度、会話量を時系列に表示することで学生個々の授業への集中度、興味を持ったポイントなどを可視化しました。さらに授業進行中の学生指導へ活用できる可能性を確認しました。

また、データ分析においては、複数データを組み合わせて多角的に分析できる環境を早期に構築するため、DX有効なAI、生体認証、映像分析、セキュリティ技術などが統合されたプラットフォーム「NEC Digital Platform」を活用しました。

本実証を実施したiUの寺脇 由紀 准教授、片桐 雅二 教授、鎌谷 修 教授は、以下の評価をしています。

「汎用的技能、態度・志向性、創造的思考力などの育成のために、高等教育では、学生が主体的に取り組める活動や、教員や他の学生との対話の機会を用意するといった取り組みが活発化しています。しかしながら、学生は多様であり、個々の学生の関心や意欲を引き出せているのかを把握することは難しく、その指導方法も教員の経験則に依存していました。本実証における行動データやバイタルデータからの分析は、多様な学生への適切な指導の支援となり、より進化したアクティブラーニングへ客観的な指標を与えることができるだけでなく、学生個人に適した教育や教材を提供するアダプティブラーニング(注6)へ寄与すると考えられます。

また、教員自身の教育実践への振り返りとして、講義内容や教材が教師の意図した通りの効果を発揮できているか、個々の教員の教育改善へ活用できる可能性があります。」

本実証実験での仮想空間イメージ
本実証実験での受講イメージ

今後の実証実験では、学生個々の分析に有用となるデータを特定し、XRコンテンツとデータ分析を活かす授業設計の枠組みを開発していきます。また、ローカル5Gを活用し、さらに高度なXRコンテンツの利用や仮想空間における多人数の同時体験、遠隔地とのシームレスな授業参画などの実現を目指していきます。

これにより、NECとiUは、個々の学生に最適化した指導や授業設計を支援し、教員の負荷軽減に貢献していきます。また、授業にVRを活用することで、これまでの動画などを用いたオンライン教育と比べて、より体験感を伴った授業を行い、学生の学習意欲および学習理解度の向上に寄与します。

本実証の内容は、高等教育機関の大学・高等学校のみでなく、将来は初中等学校の教育へも活用を目指していきます。今後もNECとiUは、「学びの多様化・最適化」へ向け、XR技術やローカル5Gなどの先進技術を活用し仮想空間を用いた協働的な学びの機会の提供や、データ活用による個別最適な学びの支援に取り組んでいきます。

以上

(注1)本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長 兼 CEO:森田 隆之
(注2)所在地:東京都墨田区文花1-18-13、学長:中村 伊知哉
(注3)ラーニング・アナリティクス
Learning Analytics (LA): 学習とそれが生じる環境を理解し最適化することを目的として、学習者とその状況についてのデータを測定・収集・分析・報告すること。
(注4)NEC 感情分析ソリューション
ウェアラブルデバイスを用いて生体情報を取得し、実証協力者の感情推移をグループ単位、個人単位でグラフィカルに表示するクラウドサービス。Webブラウザで感情分析クラウドサービスに接続するだけで、現在の感情や1日の感情履歴などを簡単に分析することが可能。
https://jpn.nec.com/embedded/products/emotion/index.html
(注5)アクティブラーニング
学生を学習過程に従事させる全ての教育方法.また,学生が有意味な学習活動に参加し,学生自身の学習活動について考えることを求めるもの
(注6)アダプティブラーニング
IT技術を使って個々の学習者の学習進捗に合わせて指導戦略を最適化した教育

引用元:PRTIMES

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